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One hears only those questions for which one is able to find answers.
拙い文章やらなんやらかんやら載せてます。 たまに写真。
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「例えば、例えばね。俺が死んだとしたらお前はどうする?」
月明かりの中、俺は隣で寝そべる男に問うた。
「……どうもしないさ」
微動だにせず声だけが舞った。
「冷たいなぁ」
思った通りの返答に思った通りの言葉を充てる。
「なら、こんな月の夜にだけ思い出してやる」
そう言うと思った。お前は優しいから俺を忘れたりなんかしない。月の夜だけじゃなく毎夜俺のことを思い出して泣くかもしれない。でも、「どうもしない」というのは嘘じゃない。お前にとって死んだ俺を思い出したり、涙することは特別な事じゃないから。

それは俺も同じ。

「お前が死んだら俺は三日三晩泣き続けてやる」
ただ天井を仰いでいたお前は漸く躯を俺の方へ向けた。酷く不機嫌そうな面持ちであったが。
「お前は30分で厭きるだろうさ」
「失礼なことを言うな。お前の為ならなんだってするさ」
月明かりに照らされた顔が影を作りながら綺麗に歪んだ。
「そういった事は俺じゃなく女に言ってやれ」
「それも、そうか」
俺もつられて口をゆるませる。他から見ればなんて気味の悪い光景だろうか。だがそれすらも、今は月明かりと宵闇の中だ。
永遠に続けば良いと思った。













温いボーイズラ(爆)
同性愛だって偏愛だって書く気になれば書ける。
文章になっているかはともかくとして。


実は長く続けようかなぁ、なんて考えてるものの一片。
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俺がこうして此処に立っているのは
お前のお陰でもあるし、俺自身の力でもある。
と、俺は勝手に思っているのだが。
お前はどう思う。
俺はお前の生み出す世界にも、俺自身の切り開く世界にも存在していると思ってる。
俺が二人。便利だな。




独白文は書き易い~。
ボールの上に立っているみたいだ。いっそ、お前も落ちれば良い。

少し不安になる。いつもと同じように横に座ってぼうっと噴水を眺めている。それなのに不安だった。噴水は小さくてあまり大きくない公園に相応しい少量の水を流していた。それを毎日、同じベンチで二人座ってただ眺める。それを毎日続けて、毎日繰り返してる。なのに、今日はいつもと違うような気がして不安になった。
『この噴水を眺めていると自分も流れていくような気分になる。他の噴水じゃ駄目なんだ、この噴水じゃなきゃ』
無言が常のこの空間でお前が口を開いた最初で最後の言葉。お前が流れていくのなら、俺は掬い上げなきゃいけない気分になる。俺はお前と同じ思いを抱いてるワケじゃなかったことが淋しくて、でも嬉しかった。ある意味での居場所がここにあると思ったからだ。なのに今日は少し、不安だ。それはお前が久しぶりに発言したせいだと、思いたい。
『溶けてしまいたいんだと思う。溶けて流れ出たいんだと。そうしたらお前はどうする?』
どうする、って。お前が流れていくのを掬うのが俺の仕事なんだ、そう、言えなかった。仕事ではない。義務でもない。ただ、それをしてなければお前の横に居てはならないと自分で思い込んでいただけであって、存在理由にはなり得なかった。溶けてしまったら、掬うのも難しいし。お前は流れていくのに俺は不安定な場所で立ち尽くすだけなんだ。
俺に必要なほどお前は俺を必要としていなかった。

俺の眼から流れるものはお前と一緒に噴水の水の中。






theme by "KUROFUNEYA" [Katharsis]
http://houka5.com/kurofune/index.html

「何も言わず、抱き締めて欲しい」なんてワガママ、かな。

青白い画面が伝えたのは「泣いてんの?」なんて冷たい言葉だった。
言い争った後はいつも消えてしまいたくなる。その場から逃げ出したいわけじゃなくて、消えてしまった方が、あなたの本当の思いが伺えそうな気がするから。でも、消えてしまうのがとても恐いのだけど。
好きという言葉はとても曖昧で、甘美なモノに私には思われた。真摯な瞳も、響く声も、優しい言葉も。全てが繕われたものの様な気がして一つ一つの動作に酔ってしまう自身が嫌だった。それが本物であっても偽物であっても判断する器官が麻痺して陥ってしまう。
だから、何も言わず抱き締めて欲しい。
文字なんかより、あなたの声が良い。それより、今すぐあなたの腕で抱き締めて。

こんな想い方、あなただけなの。







theme by "KUROFUNEYA" [Ideologie]
http://houka5.com/kurofune/index.html
 サタケは強い男だった。空手のインターハイで優勝したと言うし、腕が確かなのは分かり切っている。それより何より、心の強い男だと俺は思っていた。
 その名は知れ渡りすぎたと思うくらいに広まっていた。同じ制服を着て歩いてるだけで「サタケくんの…」なんて声を掛けられる。田舎とも都会ともつかない町だから、余計に好奇の的だった。良いヒトからも、悪いヒトからも。
 そして俺は今、その悪いヒトに絡まれている最中だ。
「ね、サタケ君の友達とかじゃないワケ?」
 目の前の男は頭の悪そうな喋り方で近づいてくる。じんわり、匂ってくるヤニ臭さは一日そこらで染み付いたものではないだろう。髪は日本人にあるまじき金髪。耳は穴だらけ、だ。
「違う」
 愛想無く、答えれば男の目の色が変わる。俺の答えは嘘だけれど、それを感じさせずに言うには感情を消すしかなかった。
「俺さ、中学ん時のサタケ君のダチなの。久しぶりに会いてぇなぁ、って。ね、サタケ呼んでよ」
「だから、サタケなんか知らないって」
 言って、あながち嘘じゃないと思って笑えた。友達、にしては品が無さ過ぎる。サタケの親父は開業医だ。それさえ可笑しくて口に笑みを浮かべれば男の気に障ったらしく思い切り胸ぐらを掴まれる。
「良いから呼べ、よ」
 こんな恐喝じみたこと慣れてんだろうな、なんて。案外頭は冷静で恐怖なんて感じる隙もなかった。
「殴られたくなきゃ呼べよ」
「呼ばない、から殴れば?」
 言いおわるか終わらないか。男の拳は目の前にあって、俺は一瞬、浮いた。殴られた顔よりも落ちたときに打ち付けた腰の方が痛かった。
「あ、あいつさぁ、サ、サタケさ、前にボコったら、よぉ、泣いて、縋りやがった」
 俺を殴ったことでハイになったのか、転んだままの俺の腹を蹴ながら狂った様に言った。足が当たる痛みと胃の奥からの嘔吐感が酷かった。耐えるのも嫌になって乱雑に降り掛かる男の足を無我夢中で掴み持ち上げれば、不様に後頭部を地面にぶつけそのまま伸びた。
「下種」
 その一言と、口に溜まった血を吐いた。




 今日、強い男サタケは死んだ。











……多分続きます。